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気合いが中世に届かない [少しは学問もたしなむようだ]

 リューベック市の古文書館に行ってから一年が経ちますが、未だにその時に見せてもらったりコピーしてもらったりした史料が読み終わりません。自分が仕事の遅いお馬鹿さんなのもあるのでしょうけど、これは本当に忍耐の要る作業です。
 ドイツにおける14世紀というのは商人が自分で文字を読み書きできるようになった時代なので、この頃残っている取引記録・帳簿の類は聖職者の使うラテン語ではなくドイツ語で書かれています。
 問題はドイツ語といってもいわゆる「低地ドイツ語」というもので、北ドイツの訛り(オランダ語に近い)が加わったものです。日本語にも方言や古語があるのですから、当たり前のことではあるのですが。でも普通のドイツ語を読むのも苦労するのだから、これはしんどいというのが正直なところです。思えばこのリューベックの街中を旅した際には、当地の話し言葉でもかなり訛りに苦しんだものです。
 ただ14世紀の方々は当然私のために文書を書いてくれたわけではないのだから、こちらが努力するほかありません。それに先ほど挙げた作業の遅さ以外にも、自分の責は大きいのですから。その時見せてもらった史料は羊皮紙に書かれたものだったので撮影もフォトコピーもできず、その場で手書きでメモする以外ありませんでした。元の字も汚くてろくに読めなかったけれど、それを解読してメモした私の字は、今読み返すと現代語の分際でこれまた読みにくい。何百年後に誰かに私の遺品が読まれたら、多分今の自分以上のクレームをつけるのでしょうな。


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