静と動の夢(CD紹介) [音楽と関係があるようだ]
バド・パウエルの名曲「クレオパトラの夢」をアルバム "THE SCENE CHANGES" にて本人の演奏で聴いた時の衝撃はそれはもう大きなものでした。強烈な打鍵、並びに夢と現の間を猛スピードで往復するようなアドリブに、パウエルの持つ驚異的なセンスが現れております。
さてパウエルを師と慕うケニー・ドリューが同曲をカバーした演奏を初めて聴いた時にも、私はまた違った衝撃を受けたものでした。パウエルのものが「動」の衝撃なら、ドリューのものは「静」の衝撃とでも言いましょうかね。
ヨーロッパに渡って大人しめになったドリューに、ベースながら細かい技巧を見せるタイプの演奏で聴かせるペデルセン、そして彼らを落ち着けるクイーンというトリオの芸風はこのアルバムでも変わらず。ということで、そのトリオの持ち味に応じたアレンジを「クレオパトラの夢」に施したら、こうなった…というまさにそんな感じの編曲です。ゆったりとしたテンポで、そして繊細なタッチで進む夢の旋律とアドリブが耳に残り続けるのでした。
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