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2019.10.13に辿り着けなかった場所から [その他スポーツの話のようだ]

 2019年10月13日に釜石鵜住居復興スタジアムで予定されていた2019ラグビーW杯カナダ×ナミビアは、台風19号の影響により中止になりました。
 開催に関わった方々にとって、苦渋の決断だったと思います。各種報道に拠れば釜石市も大きな被害を受けたとのことですし、会場でのプレーは可能であっても、JR各線は13日まで運休し、道路も多くの場所で通行止めとなれば、お客様でもボランティアの方々でも、試合に関わる全ての方々が会場へ安全に辿り着ける保証はありません。大会の規約で延期はできない以上、中止の判断は妥当です。10月にこのような規模の台風が上陸すること自体、日本にとっても異例のことでしたから。
 ただし、この釜石の地で今にラグビーW杯を開催することの意義は、過去に対しても未来に対しても大きな意味を持ちます。様々な議論を経てこの町にW杯を招致し、釜石鵜住居復興スタジアムを建て、そして7月27日に初の国際試合であるパシフィックネーションズカップの日本×フィジーを開催。ついに9月25日にW杯本大会のフィジー×ウルグアイが行われ、仮設スタンド含む現在の規模では最後の試合となるカナダ×ナミビアを迎えようとしていたところでした。ここに至るまでに、様々な方々が長い期間をかけて準備をしてきたことですので、その無念の思いもまた強いものでしょう。
 私は縁あって、7月27日も9月25日も、観客という立場で試合を楽しませていただきました。その試合を中心とした様々な風景を楽しませていただきました、と言った方が正しいかもしれません。そこまでについてはもう別項を設けても書き切れないほど書きたいことがあるので、とりあえず10月13日に関する話だけをここに記します。
 実はもともと、この試合については観戦を予定していなかったのです。JリーグYBCルヴァンカップ準決勝と同日だったことが理由ですが、残念ながら取材対象にしていたベガルタ仙台がその前に敗退してしまって、行くことが可能になりました。駄目でもともとということでチケットの最終販売の機会に挑戦してみたところ、運良く購入できたわけです。
 そういう予想外のかたちで予定に入れた試合でしたが、ナミビアとカナダそれぞれの国の歴史もラグビーの戦績も学んでいるうちに、行く予定だった他の試合同様に楽しみになったわけです。釜石の町も、何度か足を運ぶうちにもっと歩き回りたくなりました。
 それだけに、今回の中止はとてもとても残念でしたが、繰り返しますがその決定は妥当だと思っています。現在のところ、大会開催中に一度ファンゾーンを中心として釜石の町をちょっと歩きに、そして大会が終わってしばらくしてもっと長い時間の旅に、それぞれ行ってみようと思っています。大会自体についても、またご縁がありまして、今後に別会場で観戦予定です。
 釜石鵜住居復興スタジアムの仮設スタンド約10000席分は、大会終了後は今後の利用を考えて解体されるとのことです。個人的には、今回の試合が中止になったので、解体を少し延期して、近いうちにまたここで国際試合が行われればいいなと思っています。W杯本大会としての試合は中止で代替試合はないのですが、釜石の地で開催されたことについて、W杯記念大会として国際試合が招致できれば……ナミビアやカナダが来てくれるのがベストですが、今回のW杯で縁ができた様々な国の方々が、これからまたあの場所に来る機会が来てほしいと、今は願っています。
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釜石鵜住居復興スタジアム

釜石鵜住居復興スタジアム

  • 作者: 釜石鵜住居復興スタジアムブック製作チーム
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2019/07/25
  • メディア: 単行本



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