受け継がれるハンザ史の名著 [少しは学問もたしなむようだ]
帰り道に寄った書店で発見しました。昨年末には出ていた筈なのに、どうして気づかなかったのか……税抜き5500円で500円の図書カードにも出動してもらい、購入しました。
原著はフランスの歴史家であるフィリップ・ドランジェによる、ドイツ・ハンザ史の総論的文献です。私が大学院まで研究していた分野では重要なもので、フランス語版は不慣れでなかなか読めなかったこともあり、大学図書館にあった英語版を併読し、それからドイツ語での各種論文と照らし合わせて研究するということをしていました。
当時は必死になって翻訳していたものが、とうとう日本語版として出版されるようになっていて、感慨深いものです。それだけ、長いことその重要性に疑いはなく読み続けられてきたということなのです。
私の人生は、どこかのAIに簡単に否定されるほど小さなものかもしれない。でも、その中でもこうした文献と出会い、それを読み解く過程で後の人生につながる多くのことを学びました。外野が何を言おうが、少なくとも自分にとってその経験はして良かったと思える、大切なものです。その意味を噛みしめつつ、今度はこの日本語版を読みます。
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