スウェーデンとブラジルの出会い [音楽と関係があるようだ]
ジャズの楽しみのひとつが、異なる環境で磨かれた音楽の出会いだと思うのです。このアルバムで出会うのはスウェーデンとブラジルの音楽家であり、ジャズはその出会いの場、といったところ。ライナーノーツが演奏者の名前リストだけで、わかるのは日本語版の帯に書いてあることくらい。ブラジルの音楽家であるシヴーカが単身スウェーデンにやってきてプッテ・ウィックマンらとセッションをした、というくらいのことしかわかりません。そのシヴーカという人も、最初はしっとりと歌っていたと思ったら、三曲目から突然裏声になってしまって何だか不思議な方です。
しかし背景はわからなくとも、そのセッションが興味深いブレンドとなっていることは感じられるはず。サンバやボサノバの名曲が流れる中で、ウィックマンのクラリネットに現れているような素直な音がいい味を加えています。気怠さよりも爽やかさが先立つボサノバもまた、楽し。そしてこういうアルバムと、ふらりと立ち寄ったCD店で思いがけず出会うこともまた楽し、なのです。
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