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二度目の松本で [音楽と関係があるようだ]

 4月24日から26日まで、松本に滞在していました。
 何年前かは忘れましたが、大学院生だった頃に一度この町を訪れたことがあります。
 僕は大学時代のサークルで交響楽団に入っていて、当時のクラリネットの先生はサイトウキネンでも吹かれている方でした。そして僕が退団した後のある日に、ひょんなことから先生が出演されるサイトウキネンの公開ゲネラル・プローベを観覧する機会をいただいたのです。18きっぷで旅に出る途中で、タイミングよく松本に寄ることができたこともありまして……
 曲目はリヒャルト・シュトラウスの「ドン・キホーテ」。先生はこの曲でバスクラリネットを担当していたので、ドン・キホーテの物語ではサンチョに相当する重要なパートでした。当然、指揮は小澤征爾氏。そしてチェロはムスティスラフ・ロストロポーヴィチ氏です。今思えば奇跡的な機会でした。
 しかも、NHKの取材班も後ろにいたらしく、後にNHK-BSで小沢氏とロストロポーヴィチ氏の特集番組が放送された際に、この日の様子も放送されたのだそうです。
番組はともかく、この日のゲネラル・プローベでは通しの演奏はなかったのですが、その音色と断片的な場面、何よりその日の空間を形成する雰囲気は素晴らしいものでした。
 この日のことは、自分の人生にとって、本当に貴重な思い出です。
 今年の2月にベルリンを訪れたときには、1989年にベルリンの壁が壊れた後に、ロストロポーヴィチ氏が壁のそばでバッハを演奏したというエピソードを思い出しました。
 そして今回、松本を訪れ、その日のことをまた思い出しました。目的は当時とは全く別でした。しかし、「北アルプス」を遠望できるスタジアムでの試合を取材し、「ドン・キホーテ」と同じリヒャルト・シュトラウスの作曲した「アルプス交響曲」を聴こうかな、とも思ったのでした……
 次にこの町を訪れるのはいつかはわかりません。でも、そのときにはまた違った心境で歩くことになるのでしょう。
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