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ニュースと、演繹法と帰納法 [少しは学問もたしなむようだ]

 昨日のお昼にラジオで NHK-FM のトーキングウィズ松尾堂を聴いていたら、その日のテーマは「ニュースを分かりやすく伝える」という興味深いものでした。
 そのテーマ故に今回のゲストは池上彰と佐々木信也の両氏で、それぞれ週刊こどもニュースとプロ野球ニュースの裏話を語ってくれて面白かったのです。懐かしい「今日のホームラン」のBGMがリクエストされるのも良かったですな。
 ところで番組中でも紹介されていた本とはまた別に、私には池上氏の『伝える力』を読んだときに印象に残ったことがありました。
 それは、演繹法と帰納法、どちらでニュースの伝え方を考えるのか、というもの。
 ディフォルメした言い方をすると、先に結論を考えてそこに結びつく論理を組み立てるのが演繹法で、積み重ねていったものから結論を導き出すのが帰納法。そして、池上氏はその本で「ゆるやかな演繹法」を勧めていたのです。
 池上氏自身の体験からすれば、テレビだとどうしてもリミットの関係で結論ありきになって演繹法で考えることが多いけれど、その一方で融通が利かなくなって無理矢理自分の結論に当てはめて事実を曲げる危険性も感じていた、とのこと。
 でも、帰納法だと時間がかかってしまう。そこで、縛られない程度の仮説を立てての「ゆるやかな演繹法」ならば、融通が利くし、論理を素早く組み立てられる…という話だったと記憶しています。間違っていたらごめんなさい。
 私はこれに半分頷いた経験があります。確かに〆切に追われる身だとこのゆるやかな演繹法がかなり有効なのですよ。じゃあ半分はなんで頷かなかったのかというと、それは今に至るまで私の場合は基本的に可能な限り帰納法を思考の基本にしているということが理由です。
 何ごとも日々の積み重ねこそが大事だと思っているのが最大の理由です。たとえば自分が仕事で関わることの多いフットボールの展開も結果も、予想通りに進むことはまずありません。インタビューだって想定通りに進んだことは一度としてありません。
 だから、事前の願望はあっても、結論を先に限定することはしないようにしています。
 その心構えはまだ変わりません。だからこそ昨年11月8日は仙台のベガルタ仙台の昇格に際して急に原稿が増えても、自分でも驚くくらい仕事がこなせたのかな、と思っています。
 ケースバイケースで帰納法と演繹法を使い分けようとは思いますが、僕の基本はまだ帰納法にあるのです。
 これはどちらが正しい、というのではなくて、哲学の問題です。機会あらばいろいろな立場の人に、どちらを選ぶのか聞いてみたいですね。
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