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悠然たる女王 [その他スポーツの話のようだ]

 世界一美しき人、その名は荒川静香。プッチーニのトゥーランドットに乗って滑走した彼女は、見事トリノで金メダル獲得です。
 Nessun Dorma(誰も寝てはならぬ)の場面でも、誰が寝られるものか。ハッとするような表情と正確さを共存させ、点が取れなくともイナバウアーを生かした。あれがあってこそ次に繋がったジャンプが生きたのです。挫折しても自分の生き様を貫いて掴んだ優勝に、本当に敬意を表したいですね。
 彼女の立ち振る舞いには気品に満ちているけれども、それが時折凛としすぎてしまう。そこで誰がつけたか「クールビューティー」というニックネームまでできてしまいました。
 でもねえ。クールビューティー、いいじゃないですか。アイスマンじゃないのだから。クールもまた表情です。それに笑顔が素敵だということは、フィニッシュ後も採点待ちのときも金メダルが決定して安藤を抱きしめるときも、何より演技の節々でも、十分証明済みなのですよ。
 村主もベストを尽くしました。上位を追い越せはしなかったものの、自身が追い越されることもなかったのはそれだけの点数を積み重ねたから。儚さの中に強さを秘める表情を全身でできたのは彼女だけです。
 安藤は数字は不本意だったけれど、4回転に挑戦したという攻めの姿勢そのものが今回の財産では。荒川も村主も、代表落ちをはじめ何度も挫折を経験しています。彼女の尊敬する荒川は、それこそ安藤くらいの歳で出た長野五輪ではガチガチで悔しい思いをしたのだし。
 そして今回のメダリスト全てを15歳の時点で破っている浅田が、国内ではブレードを研いでいるのです。相次ぐリンク閉鎖などでこれから大変なところも多々あると思いますが、きっと今後も日本のフィギュアスケーターの努力が作る美しさに、世界が沸くことを願っています。


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