宇宙からのメッセージ

　私が子供の頃に「宇宙からのメッセージ　銀河大戦」という特撮番組が放映されていて、確か中身は宇宙を舞台にした忍者風アクションだったような記憶があります。幼心にはわかりにくい内容だったのか、アクション以外は興味がなかったのか、そもそも番組自体そんなに見たことがなかったのか、いずれの理由かは分かりませんけれども、タイトルにある「メッセージ」がどんなものだったのかは記憶にありません。
　なんでそんなことを思い出してしまったのかというと、昨日無事スペースシャトル・ディスカバリーで帰還した野口聡一さんが宇宙から送ったメッセージがえらく印象に残ったからですな。私の記憶を担当する脳細胞が、ただ「宇宙からのメッセージ」繋がりで仕事を受注しただけなのでしょうけど。ただ、別に宇宙からメッセージを寄せた飛行士は枚挙に暇がないはずなのに、夢を語る野口さんの言葉は私にとってはかなり重く感じられたんですよね。
「大きな夢は実現までにすごく時間がかかることがあります。このロケットも、ずいぶん長い時間かけてついに宇宙ステーションまで来たわけですが、皆さんの夢も長い時間かけて、いつか実現するように祈ってます」
　今まで宇宙飛行士が残して言葉をろくに覚えてこなかった私も、今回は長く覚えていそうな予感がしています。それは今夢がどうとかいうことを忘れそうになっているからか…本来子供達に向けたメッセージだというのは百も承知です。が、子供より質の悪いオトナたる私にも響いてきましたね。聞いている私にしてみれば、子供の頃よりも余計なことを身につけた今だからこそ、成し遂げたことは大きいのにシンプルに伝えようとする野口さんのメッセージが響いてくるのかもしれません。
　もしも子供時代の自分がこれを聞くことができたなら、その言葉の重みを理解することはできたのかな。宇宙忍者が伝えようとしたこと以上に。