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連続性と信頼 [少しは学問もたしなむようだ]

 NHK教育でやっている「日本語なるほど塾」、今月のテーマはコミュニケーションだったのですね。というか人間講座が「知るを楽しむ」というものに変わってからもこのコーナーが存続していたとは。ごめんね山根さん。というわけでそのテーマの最終回だけでもと思い視聴しておりました。講師はほぼ日刊イトイ新聞でお馴染みの山田ズーニーさんなんですね。
 この番組は大人が気軽に様々な分野の「ホンモノの世界」に触れるのが趣旨だということですが、この回はコミュニケーションの中でも「信頼を切り開くメッセージの伝え方」のレッスンでした。これ、気軽なんでしょうか。少なくとも話し下手な私にとっては極めて深刻で重たい課題のような気がします。
 レッスンの中で再三強調されていたのが、二つの連続性を意識することで「やりがい」と「信頼」を引き出すということ。どういうことかというと、人の「過去→現在→未来」の連続性という軸と、「自分−社会(他者)」の連続性という軸の二次元が感じられない言葉で語っていては信頼はないということなのですな。今までやってきたことが否定されて、未来にどう生かしていったら分からないような印象を与えてしまっては現在さえどう生きたらいいか分からなくなる。あるいは、自分がやっていることが全て自己満足で完結してしまって、社会と何もつながらず役に立っていないと思えるようでは何をするべきか分からなくなってしまう…理屈を並べても信頼されなかったり、言葉が短くとも信頼されたりということが起こるのは、そういったことが理由というのが講師の分析でした。
 開発一筋で10年やってきた人を営業に異動させることになったときに、「前の人がやめたからよろしく」と言うより、「現場を知る営業担当がいなくて困っている。君の力が必要なのだ」と言う方が良い、とのことでした。個人的にはこの例は多少オーバーな気もするのですが、教える上で言わんとしている点は分かるような気がします。
 私自身が今悩んでいるのは主に自分と社会とのつながりの軸という方ですが、考えの出発点としやすいのは、歴史屋の性でしょうか、時間的連続性という軸の方ですね。もちろん悪習を引きずる必要はないのですが、少なくとも歴史のあるものを全否定から始めるのは信頼とやる気という点で本当にリスクを負います。自分の例でも、身の回りの例でも、該当するものは枚挙に暇がありません。積み重ねの否定から始めたら大変なことになったフットボールチームを、また30日に見に行きますしね…
 自分自身はといえばなかなか先が見えないけど、少なくとも今まで積み重ねてきた教養とか語学力とかそういったものを何か将来に連続させる努力は忘れたくないものです。そうでもしないとあっという間に自分を見失いそうになってしまいますから。そのためにもちゃんとこの番組を月の頭から視聴すべきだったのだと思います。
 というわけで明日はテキストを買いに行って、来月に再放送で初めから見ますか。


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