大地に生き、大地に帰る [博物館・美術館での出来事のようだ]
ご縁あって星野道夫写真展の招待券をいただきました。デパートの展示場が会場でしたが相当なボリュームの写真が展示されており、充実度は大変なものでした。アラスカに生きる熊やカリブーや狼などなど、自然の営みが語りかけるせいで平面であることを忘れるような写真ばかり。難点はといえば、ところどころ導線が狭くて大判の写真をきちんと見ることができるだけの距離を確保できなかったところくらいでした。
冬が長いから生き物の暖かさがなお大切になる、など、写真に添えられた詩の語りかけも深いものばかりです。星野氏は言葉を知っているから自然を前にしたときに胸を打つ表現ができるのではなくて、自然を前にしてその息吹を感動とともに受け止めることができるからその瞬間に言葉を生むことができるのでしょう。最期まで自然の中に生きた勇者に、畏怖を感じた時間でした。
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